トランプ議会演説~新たな具体策、税制等語られず~

ブログ:黒岩が斬る!!

【時事通信】
http://mainichi.jp/articles/20170302/k00/00m/020/092000c

今回のトランプ大統領の演説は「優等生」であった。原稿を忠実に読み、決して感情的にならず、差別的な言葉も使わない。そういった意味では「トランプらしくない」のであるが、これがトランプ政権の現状を意味している。

大規模なインフラ投資を約束する一方で、減税への意欲も表明。そうなると「財源」が気になるところだが、これに関してはあまり具体的な説明はなかった。米国は累積財政赤字に苦しむ借金国。3月15日には連邦債務上限の引き上げ期限を迎えることになっており、ここで所属政党である共和党の協力が必要となってくる。

共和党内にはティーパーティと呼ばれる「小さな政府」を目指す政策集団が存在している。財政赤字の拡大を最も嫌う人たちであり、その人たちとの「折り合い」が難しいところである。

そういった意味で、昨日の「演説」は、敵を作らないために入念に練られた原稿。だから、「棒読み」であり、波風を立てない作戦なのだ。政権を維持するために必要なことであったのである。

こうなってくると、トランプ政権は、政策実行のための財源をどのように確保するかが最大の焦点となってくる。当然、「赤字国債発行」ということになるのだろうが、肝心のFRBは金融引き締め方向で舵を切っている。「米国債を発行して、それをFRBが引き受ける」といういわゆる「QE」とは反対方向に向かっており、それがトランプ政権にとって歯がゆい問題なのだ。

それを打開するためには、当然、FRBの人事に手を突っ込まざるをえなくなる。イエレンFRB議長の交代も含めて、人事であらゆる手立てを講じる可能性は高いのだ。まず、空席となっている理事に、トランプ色の濃い人間を据える。そういったところから始める必要があるだろう。

ただ、FRBというのはドル発行権を有している向こう側の組織。そこにトランプ氏が土足で突っ込めば、結果的にフジテレビを買収しようとしたホリエモンの二の舞になる。虎の尾を踏むくらい危険なことなのだ。なので、財源に苦慮したトランプ大統領がFRBにどのようなアプローチをするのか――これが極めて重要な事象となってくる。

 

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