[参考URL]
【日本経済新聞】
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDC25H1P_V20C17A4EA2000/
【NHK】
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170425/k10010960781000.html
投資家が勘違いしやすいのは、「損失=株価下落」と考えている点だ。例えば、東芝(6502)が海外原子力事業での損失発生を受けて株価が急落したことを受けて、「損失=株価下落」と短絡的に考えている。同様に今回の日本郵政(6178)に関しても、海外子会社で発生した損失で赤字転落したことを受けて、「損失=株価下落」と考えがちである。
しかし、株価というのは、「企業収益の一時的な発現(表面化)」を評価されているものではなく、将来的な利益(キャッシュフロー、配当)を現在価値に割り引いたものの合計値として評価されているものである。だから、すでに損失発生が分かっており、それが株価に十分織り込まれていれば、それは株価下落の要因とはならない。
今回の日本郵政の損失の話は、ある意味「前倒し的な損失計上」である。のれん代というのは、企業を買収したときに、その付加価値を資産計上したもの。それを長い期間をかけて償却(費用計上)するというものであり、ある意味「必要なコスト」である。それを前倒しするということは、将来的に損失発生の可能性が低くなるということである。だから、株価はいったん下落し、その後は上方向で反応している。
特にこの銘柄に関しては、その流動性の高さから、カラ売りを引き込みやすく、踏み上げ相場に発展しやすい。そういった需給関係も働いており、足元堅調な値動きが期待できる。「窓・壁・軸理論」ではすでに底入れを果たしており、目先は上方にある3つの窓を目指す展開が予想される。最大で最上段の窓上限(1486円)までの上値余地があり、値幅妙味は十分に残されている。日本経済に与える大きな影響は特になし。「日本の企業は買い物が下手」というイメージだけが残るだろう。